ひな人形の素朴な疑問
古くは嫁入り道具のひな形として嫁ぎ先に送ったという風習もあったので、ひな人形はお嫁さんの実家が贈るのが主流です。しかし、最近では両家で折半したり、両親が購入するケースも多いようです。若夫婦の住宅事情や好みもあることなので、両家で相談して決めることをおすすめします。
ひな人形は女の子の成長と幸せを祈り、身代わりに厄を受ける人形です。神社のお守りを母娘や姉妹で分けないのと同じで、母親のおさがりや姉妹兼用にするのはタブー。
ひな人形は女の子一人につき一飾りを贈りましょう。
王道の段飾りは豪華な七段から五段、三段、二段とさまざまなタイプがあります。お内裏さまとお姫さまの一段のみの「親王飾り」も最近では多く見られます。親王飾りは飾り台が収納箱になっているものやガラスケース入りのものが主流です。
中には「立雛(たちびな)」という立ち姿の親王飾りもあります。
衣裳の美しさを存分に楽しみたい、人と違うものがほしいという方におすすめです。小ぶりでかわいらしい人形が好みの方には、ふっくら丸い形が愛らしい木目込み人形が人気。
赤い餅
先祖を尊び、厄を祓い、健康を祝うため。また、桃の花を表しています。白い餅
清らかさと残雪を表しています。緑の餅
新芽と若草を表しています。白酒
アルコール10%前後。
原材料は、米にみりん(または焼酎・米麹)
数週間発酵し、臼で挽きおろして作られる。
甘酒
アルコールは1%前後。
原材料は、おかゆ等水分の多い柔らかいご飯に米麹を入れたもの。
発酵は一晩だけなので「一夜酒(ひとよざけ)」とも呼ばれる。
最近のおひなさま事情
かつてはひな人形と言えば七段飾りでしたが、近年は住宅事情に合わせてコンパクトな三段飾りや内裏雛だけの親王飾りが人気。人形を飾るひな壇がそのまま収納箱になっている便利な収納飾りも結構出回っています。
お姫さまの衣裳も伝統的な赤だけでなく、多彩な色にバリエーションが広がっており、大人になってからも長く楽しめるシックな色合いの衣裳もよく見られるようになりました。お内裏さまも昔は古式にのっとった黒地の束帯が一般的でしたが、お姫さまに負けないくらいの華やかな色柄や刺繍をほどこした豪華な衣裳になってきています。
ひな人形がお洒落化する中で、冠や小物にスワロフスキーをあしらったり、フェイクファーの敷物やレース柄にレーザーカットされた木製の屏風を飾るなど、現代的なアレンジがされたひな人形も登場しています。